あなたの「生きがい」はなんですか?
すぐに思い浮かぶ人もいれば、考え込んでしまう人もいるでしょう。
生きがいとは、人生の中で生きる喜びや気持ちを奮い立たせるようなことです。
趣味や仕事、子育て、人との関わりなど、人によってそれぞれで、生きがいは異なっています。
平成25年に内閣府が行った「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」によれば、高齢者のうちおよそ8割の人が、生きがい(喜びや楽しみ)を感じていると回答しています。
しかしその一方で、生きがいを感じる人が年々減少傾向を示す結果も出ています。
平均寿命がどんどん長くなっている現代において、生きがいを持ち、心身ともに健康に過ごすためにはどうすればよいのでしょうか。
今回は幸せな老後を過ごすための「生きがい」について解説していきます。
老年期に起こる変化
老年期を含むあらゆる年代で達成しておきたい課題があります。それを「発達課題」といいます。発達課題とは、人間が健全で幸福な発達をとげるために、各発達段階で達成しておかなければならない課題のことです。
教育学者のハヴィガーストは、老年期に考えるべき発達課題を以下のように提唱しています。
- 肉体的な力、健康の衰退への適応
- 引退と収入の減少への適応
- 配偶者の死に対する適応
- 同年代の人と明るく親密な関係を結ぶこと
- 社会的、市民的義務を引き受けること
- 肉体的な衰退に伴う生活を満足して送れるように準備すること
つまり、老年期において幸福度の高い生活を送るためには、心身の変化や社会的な変化を受け入れながらも、社会や他者と繋がりを持つことが大切なのです。
生きがいが大切な理由
老年期になると身体面や精神面、社会的にも様々な変化が起こります。
例えば、仕事一筋だった人が仕事を引退してしまったり、子どもが巣立って子育てがひと段落したりすることで、喪失感を感じてしまう人も少なくありません。
また、歳を重ねていくにつれて、健康面を心配することも増えてくるでしょう。
しかし、そういった出来事を「歳のせいだから仕方ない」と片付けてしまってはいけません。
人の行動は自然に成熟することは少なく、歳を重ねても、日常生活から得た経験を振り返り学び続けていく必要があります。
すなわち、生きがいを見つけるためのヒントになるのが、老年期の発達課題なのです。
生きがいをみつけるヒントは過去の経験にある!
新しいことにチャレンジすることは、勇気がいるかもしれません。新しい環境や物事に適応するための問題解決能力は30歳をピークに60歳以降で急速に低下すると言われています。
しかし、言葉の意味、一般的な知識や学習、職業などの経験で得られた知識や判断力は70歳頃でも能力が保たれるとも言われています。
過去の職業経験を活かすことや、昔好きだったこと、興味があったことを趣味にすることで生きがいに繋がる可能性があります。
高齢者(シニア)はどんな生きがいを持っているのか?
生きがいがあると答えた人は、どんな時に生きがいを感じているのでしょうか。
生きがいランキング
1位 | 趣味やスポーツに熱中している時 | 47.3% |
2位 | 友人や知人と食事、雑談している時 | 42.3% |
3位 | 家 族 と の 団 ら ん の 時 | 39.4% |
4位 | 旅 行 に 行 っ て い る 時 | 33.5% |
5位 | 仕 事 に 打 ち 込 ん で い る 時 | 24.5% |
6位 | 孫 の 面 倒 を み て い る 時 | 24.0% |
7位 | 他 人 か ら 感 謝 さ れ た 時 | 23.3% |
8位 | 社会奉仕や地域活動をしている時 | 15.5% |
9位 | 収 入 が あ っ た 時 | 13.9% |
10位 | 勉強や教養などに身を入れている時 | 12.2% |
11位 | 若 い 世 代 と 交 流 し て い る 時 | 9.9% |
※内閣府 平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査結果(全体版) より作成
生きがいをみつけるコツとは?
では、生きがいを見つけるコツをご紹介します。
病気の予防、体力づくりに励む
まずは、健康であることが第一です。
病気が疑われる時は、診察を受けて正確に治療を受けて悪化しないように予防することが大切です。
散歩や体操など、運動習慣を取り入れて、体力や筋力の低下を予防しましょう。
仕事をしてみる
パートやアルバイト、ボランティアや地域の役員、家事や育児も仕事に含まれます。
収入の有無に関わらず「人の役に立つ仕事」を行ってみましょう。
新しい出会いや人とのつながりができますし、誰かのために働き、感謝されることは生きがいにつながります。
新しいことを始めてみる
新しいことに挑戦してみると、生きがいが見つかることがあります。趣味に没頭したり人と交流してみたり、あるいは普段出かけないような場所へ思い切って出かけてみたりして、いつもと違うことにチャレンジしてみてください。簡単なことでも、まずはごく小さなことから始めてみましょう。
昔好きだったことやりたかったことの棚卸し
自分が好きだったことや得意なことの棚卸しをしてみましょう。誰しもが子どもの頃に好きだったことや、興味があるけどできなかったことがあるはずです。
今は大人向けの習い事も増えてきていますから、興味のある習い事にチャレンジしてみましょう。
まとめ
幸福で充実した老後を過ごすためには、過去の経験を振り返りながら、常に学び続ける必要があります。
老年期においては、心身や社会的に起こる変化を受け入れつつも、他者と関わりながら社会とつながりを持つことが大切だからです。
生きがいを見つけるには、昔好きだった事、やろうとして諦めたことがないかなど、過去の経験から探してみるのも生きがいをみつけるヒントになります。
いくつになってもチャレンジ精神を持ち続けていきましょう。