【親の介護】親が施設に入所したらどうする?家族がすべき大切な役割について解説

【親の介護】親が施設に入所したらどうする?家族がすべき大切な役割について解説

親が介護状態になったら、同居したり、できるだけ近くに住んだりする方が良いと考える人も少なくありません。

親自身が納得して施設に入ってくれればいいのですが、そうでない場合は「施設に入れたこと」に後ろめたさを感じてしまうことも。

介護は人の数だけ事情や考え方があり、その時の状況に合わせて対応していく必要があるのです。

ただ、施設に入っても良い関係を築きながら、快適に暮している親子もたくさんいます。

そこで今回は、施設に入居した親が快適に過ごすために、「親子」として、さらには「家族」でできるサポートや役割についてご紹介します。

親が施設に入所した後、家族が行うべき3つの役割

親が施設に入所した後、家族が行うべき3つの役割

親が施設に入居した後で、家族が行うべき役割は大きく3つあります。

  1. 精神面のケア
  2. 施設・ケアマネジャーとのやりとり
  3. 金銭の管理

食事の世話や身体介助など、直接的な介護は施設の専門職に任せることになります。

施設に入居することで介護負担は軽減されますが、上記の3つは家族が継続してサポートしていく大切な役割です。

精神面のケア

特に重要なのが精神面のケアです。

親孝行=近距離というわけではない

同居をしていても会話すらなく、冷え切った親子関係になってしまっている家族もいれば、離れて暮していても良好な親子関係を維持している人もいます。

つまり、近くに住んでいることや同居していること=親孝行だと考えなくても良いのです。

  • いつも気にかけているよ
  • 大切に思っているよ

そういった気持ちを伝えることが大切です。

頻繁に会いに行けなくても、電話やメールなどでコミュニケーションの頻度を増やすようにしましょう。

手紙と一緒に家族の写真を送ったり、部屋に写真を飾ってもらったりするのも良い方法です。

IT機器を活用してコミュニケーションをとる

近年は、感染症対策で面会時間が制限されているところも多く、スマホやタブレットを使って、テレビ電話でコミュニケーションをとる方法が注目されるようになりました。

表情をみながら、リアルタイムで話せるのはお互いに安心感があるため、精神面のケアにも効果的です。

連絡をとる日を決めておくと認知面のチェックもできる

連絡をとりあう日時を決めておくのも良い方法です。

例えば、「毎日12時に電話をかけてもらう」「毎週土曜日の午前中に親から電話をかけてもらう」など曜日や時間をあらかじめ決めて、親から連絡をもらうようにしておきます。

そうすることで

  • 日時や曜日を正確に把握しているか?
  • 約束をきちんと憶えているか?

など認知面のチェックにも繋がります。

施設・ケアマネジャーとのやりとり

施設・ケアマネジャーとのやりとり

施設やケアマネジャーともやりとりを行わなければいけません。連絡を取り合う場合は、少しだけコツが必要です。

連絡方法を決めておく

ケアマネジャーへの連絡方法を事前に決めておくとよいでしょう。

週末しか施設へ面会に行けなかったり、遠距離だったりする場合は、ケアマネジャーと直接会う機会が少なくなってしまうからです。

ケアマネジャーは複数の担当者を抱えているため、いつも事務所にいるとは限りません。

電話だけでなく、メールやチャットでもやりとりができるように頼んでおけば、連絡がとりやすくなります。

気になることは些細な事でも相談する

施設に入所しても親のサポートは続きます。無理なく介護が継続できるように、自分の生活も大切にしましょう。

ケアマネジャーは、さまざまなケースと向き合ってきているので、些細な出来事であっても相談に乗ってくれます。

不安に思っている事や、気になることは些細な事でも相談するようにしましょう。

施設と良好な関係を築きながらも「チェック」は怠らない

施設に入所してすぐの間は、環境の変化などでご本人も不安を感じやすいものです。

可能であれば、入居して慣れるまで面会の頻度を増やしたり、本人や施設スタッフとこまめに連絡をとったりするようにしましょう。

困ったことはないか、生活する上で足りないものはないかなど、コミュニケーションをとることで不安を取り除くことができます。

また、施設側に希望を伝えることも必要ですが、伝え方や言い方が大切です。厳しい口調であれやこれやと要求されてしまうと、施設のスタッフも困ってしまいます。

施設と家族は『チーム』です。快適に過ごして欲しいと願っているのは施設スタッフも家族も同じなのです。

同じ目標に向かって協力し合う『チーム』だと考えて、お互いに尊重しコミュニケーションをとるようにしましょう。

嬉しかったことや、ありがたいと感じたことは積極的に伝えるようにしてください。

遠方でなかなか面会に行けない場合は、こまめに連絡をとることで「親御さんのことを気にかけている家族だな」という印象を与えられます。

親に代わって金銭管理をする

親に代わって金銭管理をする

3つめの家族ができるサポートとして、金銭管理があります、

資産に関する話し合いや準備は元気なうちに行う

原則として預貯金からお金を引き出せるのは、本人のみです。また、親が認知症を患った場合は、銀行にそのことを申し出ると、預貯金が引き出せなくなってしまいます。

出来れば親が元気で判断力があるうちから、

  • 複数口座があれば、1つにまとめる
  • キャッシュカードの保管場所や暗証番号をきいておく

などの準備をしておきましょう。

また、引き落としがある場合は、口座の残高にも気をつけておかなくてはいけません。

預かり金をもらって介護費用にあてる

介護サービスや家賃、生活必需品など、施設介護でも何かと費用がかかってきます。親に代わって金銭管理をする場合は、親から介護費用として預かり金をもらい、管理する方法がおすすめです。

自分名義の新しい口座を作り、預かり金専用の口座にする

  • 親子で預かり金の覚書を交わす
  • 医療費や介護費をそこから出すようにする
  • 明細や領収書は残しておき、入出金をノートなどに記録しておく

記録を残しておくことで、家族や親戚間での揉め事を避けることができます。

また、親に認知症や物忘れがあると、お金を預けたことも忘れてしまうかもしれません。

そういった時に、覚書や記録があると安心感につながります。

親戚や家族での役割分担を話し合う

親戚や家族での役割分担を話し合う

介護は1人で行うのではなく、できるだけ大人数で役割分担ができれば、より負担が楽になります。

介護を分担できる親戚や家族がいる場合は、早めに話し合いをしておきましょう。

「言わなくてもわかってくれる」と思って何も言わないでいると、負担が偏ってしまってそれぞれに不満を抱く原因にもなります。

親の介護を1つのプロジェクトと考え、分担することが大切です。

  • 通院などの付き添い
  • 生活必需品を届ける
  • 施設やケアマネと話し合う窓口担任
  • 契約や同意書、捺印
  • 金銭や資産管理
  • どれくらいの頻度で面会に行けそうか

以上のように、具体的なことまで話し合いをすることが大切です。

まとめ

親が施設に入居した後、家族が担う役割は、

  1. 精神面のケア
  2. 施設・ケアマネジャーとのやりとり
  3. 金銭の管理

などがあります。

また、家族や兄弟がいる場合は、役割分担について具体的な話し合いをしておくことも大切です。

介護は、ケアマネジャーや施設スタッフ・そして家族が1つの『チーム』となって立ち向かうプロジェクトのようなものです。報告・相談・連絡の基本を忘れずに、協力しながら立ち向かっていきましょう。