高齢者の一人暮らし…。孤立を防いで安心した生活を送るコツとは?

高齢者の一人暮らし…。孤立を防いで安心した生活を送るコツとは?

高齢者の一人暮らしには、健康面や生活面で何かと不安がつきものです。孤独死のニュースが流れると、一人暮らしの親がいる人や、自分の将来など心配になる人もいるのではないでしょうか。

しかし、高齢者の一人暮らしでも、心がけや日常生活の工夫で安心して暮らすことができます。今回は一人暮らし高齢者の孤立を防ぎ、充実した生活を送るためのコツについてお伝えしていきます。

なぜ高齢者は孤立しやすいのか?

少子高齢化や核家族化、生活スタイルの変化に伴い、高齢者の一人暮しは年々増加しています。

一人暮らしの高齢者割合が増加

一人暮らしの高齢者割合が増加

現在、日本の高齢者数は約4人に1人以上が高齢者という状況です。

加えて、核家族化など家族構成の変化により、一人暮らしをされている高齢者の割合も増えています。(出典:総務省統計局

高齢者がいる世帯のうち独居(一人暮らし)は627万人で高齢者世帯の26.4%を占めており、高齢者の約3人に1人が独居となっています。

介護や同居に対する認識も変化してきており、子供達に迷惑をかけたくない、気楽に過ごしたいと一人暮らしを選択する高齢者も多くなっています。

一人暮らしをする高齢者は、これからも増え続けていくことが予想されています。

病気やケガがきっかけで引きこもりやうつ傾向に

元々健康だった方でも、病気や骨折などのケガがきっかけになり、心身が衰えて、引きこもりがちになってしまうことがあります。引きこもり状態になると、身体を動かす機会が減ってしまうため、筋力や体力が低下してしまいます。

一人暮らしでサポートが少ない高齢者の場合は、悪循環が断ち切れず、うつや認知症などの合併症を引き起こす恐れがあります。

男性の方が孤立しやすい

男性は、女性に比べて地域の付き合いや、ご近所とのコミュニケーションが少ない傾向にあります。

他者との接点も仕事関係に偏りやすく、定年退職を迎えると社会との接点が減少してしまい、孤立するケースが多いのです。

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高齢者の孤立、孤独が引き起こす弊害とは?

高齢者の孤立、孤独が引き起こす弊害とは?

一人暮らしをしていて心配なことのひとつに、急に体調が悪くなった時などではないでしょうか。

普段から相談できる人や場所を作っておくことが大切です。

高齢者の孤独死

孤独死の約83%が男性というデータが出ています。年代別にみると60代の孤独死が最も多く(男性34.1%、女性20.5%)、2番目に多かったのが70代(男性21.8%、女性20.5%)でした。

また、孤独死の死因としては、「病死(65.6%)」が最多で、以下、「不明(22.2%)」「自殺(10.9%)」「事故死(1.3%)」と続いています。

出典:『第6回孤独死現状レポート』2021年(日本少額短期保険協会)

病気の進行や体調の変化に気づきにくい

病院や医者が苦手、体力に自信があるから大丈夫という人ほど病院から足が遠のきがちです。知らぬ間に病気が進行している恐れもあります。

困った時にすぐ相談できるかかりつけ医を持っておきましょう。また、定期的に健康診断を受け、体調管理を心がけることが大切です。

一人暮らしを狙った犯罪に巻き込まれる心配がある

一人暮らしを狙った犯罪に巻き込まれる心配がある

振り込め詐欺やオレオレ詐欺など、言葉巧みに騙して、高齢者を狙う悪質な詐欺や犯罪が後を絶ちません。

身近に家族やすぐに相談できる人がいれば、事態に気づくことができます。

しかし、高齢者の一人暮らしの場合は、知らず知らずのうちに、犯罪に巻き込まれてしまうこともあります。

一人暮らしをしている高齢者には、周囲の人が繰り返し注意喚起をすることが大切です。

一人暮らしは脳トレの連続?!一人暮らしにはメリットもあり

一人暮らしをすることで、自分のことは自分でやらなければならないという自立心が生まれます。

人のペースに合わせて生活することもなく、自由に自分のペースで過ごすことができます。自分で生活のあらゆる物事を決めることは、脳を活性化させることにも繋がります。

料理や洗濯、掃除などの家事全般は、頭の身体を動かすよい運動になります。

できることを自分でやることが、心身に良い影響を与えるのです。

二世帯など、家族と同居すれば、安心感もありますが、人が集まるところには悩みやトラブルもつきものです。

特に内向的で一人が落ち着くという気質の人は、ストレスなく暮らすことができるでしょう。

一人暮らしでも安心して暮らすための方法と対策とは?

一人暮らしでも安心して暮らすための方法と対策とは?

一人暮らしを楽しみつつ、安全安心に暮らすためにはどのようなことに気をつけておくとよいでしょうか。

社会とのつながりをもつ

意識して定期的に人と関わる機会を作りましょう。

例えば、

  • ご近所つきあい
  • 趣味、習い事、ボランティア
  • 自治会などのイベントに参加する
  • デイケアやデイサービスにいく
  • 地域で開催されている体操教室に参加する

などがあげられます。

定期開催されているものに参加することで、周囲の仲間が異変に気づきやすくなります。他者との会話は脳の刺激を与え、認知症の進行も防ぐことができます。

家族と離れて暮らしている場合は、見守りサービスを活用

各市町村や民間事業が見守りサービスを実施しています。

以下がサービスの一例です。

  • 郵便局員、新聞や宅急便の配達員による安否確認サービス
  • 水道メーターや電気の電位量をモニターし、使用状況や使用量になどに異変があれば直ちに連絡
  • 生活に関することなどを相談できる、電話相談サービス
  • センサーによる見守りや非常ボタンを設置し、万が一の際に自宅に駆け付けてもらうサービス

離れて暮らしている独居の家族がいるという場合は、これらのサービスを活用するとよいでしょう。

介護支援サービスや介護予防サービスを受ける

一人暮らしに不安を感じたら、各地域に設置されている地域包括支援センターに相談をしましょう。

生活についての聞き取りや相談を受け、介護予防や介護が必要な場合は、要介護認定をすすめられます。

要支援や要介護の認定を受けると、要介護1から5の方は介護サービスを、要支援1〜2の方は介護予防サービスを介護保険で利用できます。介護保険を利用できると、自宅に手すりを付けるといった住宅改修の補助金も受けることができます。

また、「介護予防・日常生活支援総合事業」といって要介護認定結果が自立や要支援の場合でも利用できるサービスもあります。介護保険サービスを受けることで、見守る目が増えますし、自立して生活を続けるために適したサービスを受けることができます。元気なうちから手続きの流れを知っておいて、相談しておくことをぜひおすすめします。

まとめ

一人暮らしでは社会とのつながりが希薄になりがちです。人との縁を大切にして、自ら社会とつながりを持つようにすることが大切です。

面倒だと思うこともあるかもしれませんが、新しい出会いは、生きる活力に繋がることもあるのです。一人暮らしでも、適度に社会とつながりを持っていれば、自分の生活ペースで安心して暮らすことができます。

はじめの一歩として、地域包括支援センターを活用してみてください。地域の高齢者サロンや交流会などの情報を教えてもらえます。

まずは自分に合いそうなコミュニティを見つけてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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