明るい終活のススメ!終活は何から始める?

明るい終活のススメ!終活は何から始める?

「終活」という言葉をよく耳にするようになりました。

「令和4年度人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査の結果について」によると、「人生の最終段階での医療やケアについて、68%の人が家族と詳しく話し合っていない」と回答しています。

こういった結果からも、日本は死に対して積極的に話し合う機会が持てず、ネガティブなイメージが根強く残っていることがわかります。

終活という言葉を聞いたことはあっても、実際は何をすればいいのか迷ってしまう人もいるのではないでしょうか?

「人生の終末期を迎えた時にどうしたいか?」を考えることは、今やこれからの生き方についても見つめ直すきっかけにもなります。今回は終活を明るく捉えて、前向きに準備を進めていくコツについて解説していきます。

なぜ終活に注目が集まっている?

なぜ終活に注目が集まっている?

終活とは、死と向き合い、最期まで自分らしく過ごすための準備です。

なぜ近年、終活に注目が集まっているのでしょうか?

少子高齢化による影響

日本は少子高齢化が進んでおり、高齢者のみの世帯や単身世帯の数も増加しています。昔のように、2世帯や3世帯で暮らすことは少なくなり、家族だけで介護や看取りを担うことが難しくなってきています。

時代の変化の中で、自分の老後や最期についても、自らが中心となって考える必要があるという意識が高まっています。

終活に取り組む有名人の増加

2012年にがんを患い41歳の若さで亡くなった流通ジャーナリストの金子哲雄さん。

金子さんは、がんの告知を受け、残された時間が多くないと知ってから積極的に終活を始めました。治療法はもちろんのこと、自ら斎場を手配し、遺影や祭壇に飾る花選び、墓の準備も自ら行ったのです。

病魔と闘いながらも準備を進め「完璧な終活」をしていたことがメディアで取り上げられたことをきっかけに「終活」そのものが話題になりました。

昨今では多くの芸能人や有名人が、終活に取り組み準備をしていることを明かしています。

このように影響力がある人達が積極的に終活に取り組み、発信することで「終活」という言葉が世間に広く知られるようになってきました。

終活を行うメリットとは?

終活を行うメリットとは?

終活を行うことで得られるメリットについて解説していきます。

人生が前向きになる

終活の準備をすることで、老後の生活も前向きに考えることができるようになります。人生の最期をゴールとしたときに、終活について考えることで

  • 残りの人生をどう生きるか?
  • これからやりたいことは何か?

という問いが出てきます。

これからの時間をどう過ごしていきたいかを明確にすることで、残された時間を有効活用でき、充実した老後生活を送ることができます。

家族の負担を軽くできる

終活を行うメリットとして、家族の負担を軽減できることがあげられます。何も準備をしないまま、意思疎通がとれなくなったり、亡くなったりしたらどうなるでしょうか?延命治療などの意思決定や葬儀、遺品整理、お墓に関することなど全て家族が決めなくてはならず、家族の負担は計り知れません。

家族の負担を軽減するためにも、自分の希望をエンディングノートなどに書き記しておき、家族と共有するようにしましょう。

本人の希望がわかっていると、故人の思いに則したお葬式や遺品の整理ができるため、家族の負担は心身共に軽減されます。

終活を始めるタイミングとは?

では、終活はいつから始めれば良いのでしょうか?

終活は何歳からでもOK

終活に適した年齢はありません。20代から始める人もいます。ライフイベントをきっかけに終活を始める人も多くいます。例えば、結婚や出産、親しい人の病気や死などに立ち会った時、定年を迎えた後、子供が巣立った後などです。

終活は実際に始めてみると、気力や体力を必要とする作業です。早いうちから考えておくと良いかもしれません。

終活の準備で大切な3つのポイントとは?

終活の準備で大切な3つのポイントとは?

終活の準備における大切な3つのポイントをご紹介します。

生前整理

身の回りにある生活用品の整理と処分を行いましょう。つまり断捨離です。何から手をつけていいのかわからない場合は、とりあえず不用品の処分から手をつけてみましょう。物の処理は時間と労力を使うため、できる限り自分でやっておきたい終活です。

生活用品の断捨離を始めると、物を購入するときも、本当に今の自分に必要なものなのか?など考えるきっかけになります。その結果、衝動的に買い物をすることも減っていくでしょう。

意思表示

病気やケガなどで意思疎通がとれなくなった時のために、延命治療をしてほしいのか?などの意思表示をしておきましょう。葬式やお墓についても、予算なども合わせて具体的に決めておきます。その他、財産分与についてやペット等に関すること、遺言書の作成なども行います。

特に遺産相続では、誰がどのように相続するかで親族同士のトラブルになることが少なくありません。判断力があるうちに、財産を誰にどのように分けるのか、専門家や相続人と相談しておくことが、トラブルを防ぐことにつながります。

重要書類、デジタル終活

銀行通帳や印鑑、権利書や証券など重要な書類も家族がわかるようにしておきましょう。

近年では携帯電話、スマートフォン、パソコンなどのデジタル機器の終活も必要になってきています。銀行などもネットでのやり取りが多くなっており、お金にまつわる重要なデータもデジタル化が進んでいます。料金が発生してしまうものや有料会員などに関しても、解約方法や対応なども記録しておき、ログインIDやパスワードをメモしておきましょう。

デジタル終活をサポートしてくれるサービスもあるため、利用するのも良いでしょう。

まとめ

今回は、終活を前向きに考え、準備を進めるためのコツについてお伝えしました。

近年、少子高齢化による影響により、自ら最期の準備をしようと考える人が増えてきました。積極的に終活に取り組む有名人も増えてきており、注目が集まっています。

終活を行うことは、これからの人生について考えるきっかけになります。家族の負担を軽くできますし、何歳からでも始めることができます。

エンディングノートやインターネットでダウンロードできるシートなどを活用するのも良い方法です。まずは自分の思いをノートにまとめてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考文献:金子哲雄「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」小学館 2012年
一般社団法人 富田林医師会 多職種のための「終活」ガイド ~終末期に向けた支援について~