介護が必要になったとき、オムツ交換をしたり、寝ている状態で着替えることが必要な場面が出てきます。
そんな時に絶対に必要になる動作が「寝返り動作」です。介護では意外と大切な動作なんです。今回は寝返り動作のコツについて動作の専門家である理学療法士の方に記事を書いて頂きました!
介護する上で実はすご〜く大切な「寝返り動作」
寝た状態の方を介護する時、仰向けのままでは、オムツを変えることも、服を着替えることもできません。横を向いてもらって、背中や腰の下側に隙間をつくる必要があります。
寝返り動作とは、仰向けの状態から横に転がる動作のことです。
- 身体を反らしながら転がる
- 身体を丸めながら転がる
人はこのどちらかの方法で寝返ります。
まずは、自分がどのように寝返るのか一度やってみましょう!
体を反らせながら寝返るパターン
体を丸めながら寝返るパターン
「体を丸めながら寝返る」方がラク!
どちらの方が寝返りやすそうでしょうか?
丸くなりながら寝返るほうが楽だと思います。身体を反りながら寝返ると寝返り動作をしたい方向と背骨が反対方向に動くため、介助される人に不快感が生じやすくなるのです。
実際に自分でやってみることが大切
このように実際に自分が一度やってみて、感覚を確かめることは非常に大切です。自分自身が寝返り動作について理解が深まると、相手にとって”優しい介護”をすることができます。これは介護をする上で非常に重要なことです。
介護される感覚が掴めたところで、実際に寝返り動作の介助方法について解説します。
寝返り動作のコツ!優しい介助方法
寝返り動作の介助をするとき、普段あなたはどこから手伝いますか?
- 頭から横に向ける
- 背中から横に向ける
- お尻から横に向ける
- 足から横に向ける
他にも色々な方法があると思います。
ここで紹介するのは一例です。みなさんが実際にやってみて楽な方法が一番です。参考までにご覧ください。
まず、いきなり体を動かすのではなく「頭から介助」をします。
頭を持ち上げると、自然と腹筋などに力が入るため、身体の前側の筋肉が働きやすくなります。また、背骨が全体的に曲がる方向に動かしやすくなり、体を丸めやすくなります。これで寝返りの準備ができます。
文字では分かりにくいと思いますので、簡単にできる、寝返り動作の介助方法のコツを写真で説明します。
寝返る前の予備動作として、頭を寝返る方向に向けることが重要です。寝返る方向に頭を向けるだけで背骨全体が寝返る方向に動きやすくなります。
左手は体から少し離した方が寝返りやすいです。(左側に寝返る場合)
少しでもご本人の力がある方は45°(お腹に力が入りやすいため)程度の角度、寝たきりの方は90°に腕を開くのがお勧めです。
このように手足を出来るだけ体の中心に集めることで介助しやすくなります。また、膝を立てることで寝返る際に介助者側の負担が軽減します。
骨盤を支える利点として、介助される側に腰痛が生じにくい(体の負担が少ない)です。また、膝の重みで自然と寝返る方向に倒れてくるように誘導するとほとんど力は入りません。
まとめ
今回は『寝返り動作のコツ』について紹介しました。
ポイントは、
- 頭の向き
- 膝を曲げ、体を折りたたむ
- 重力を利用して膝〜骨盤を倒す
ことです。
寝返り動作は、必要な人には1日に何度も行う動作です。いきなり上手く介助できないかもしれませんが、日常の中で意識しているだけでもかなりラクになるはずです。
ぜひ試してみてくださいね!