【これって・・認知症?】家族が認知症ではないかと心配している方へ

【これって・・認知症?】家族が認知症ではないかと心配している方へ

「私の親が、認知症かも・・?」
「さっきもこの話を聞いたな・・」
「そういえば最近、物忘れや置き忘れが多い気がする・・」

家族が認知症になるなんて、想像もつきませんよね。
認知症には発症前にいくつかの初期症状が見られます。  

この記事では、認知症の疑いがある場合のチェック項目と、本人の自尊心を保ちながら医療機関での受診を進める方法やその後の対応の仕方についてまとめました。  

認知症は発見時の進行度合いによって、改善の余地があります。
この記事を読んで、認知症についての理解と早期発見に向けた行動をとりましょう。  

認知症とは?

認知症とは?

加齢や脳の働きが低下することによって起こる病気です。

記憶障害や判断力、理解力の低下により物事をうまく進めることができなくなったり、人や場所、時間がわからなくなるなどの症状がみられます。

また環境やその時の状況により、暴力・暴言、物とられ妄想、徘徊、排泄の失敗、昼夜逆転、過食や食べ物以外のものを食べてしまうなどの行動がみられます。

認知症の早期発見

チェック項目

認知症は早期発見が大切です。日常生活を送る中で下記のような行動がみられる場合は、かかりつけ医などに相談しましょう。  

認知症と似た症状が出る他の病気が隠れていることがあり、その場合は適切な治療により改善がみられるケースもあります。  

認知症とほかの病気との区別がつくことで治療方針が立てやすくなったり、適切な支援につなぐことができます。

  1. □今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
  2. □同じことを何度も言う・問う・する
  3. □しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
  4. □財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う。判断・理解力が衰える
  5. □料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
  6. □新しいことが覚えられない
  7. □話のつじつまが合わない
  8. □テレビ番組の内容が理解できなくなった。時間・場所がわからない
  9. □約束の日時や場所を間違えるようになった
  10. □慣れた道でも迷うことがある・人柄が変わる
  11. □些細なことで怒りっぽくなった
  12. □周りへの気づかいがなくなり頑固になった
  13. □自分の失敗を人のせいにする
  14. □「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた、「不安感が強い」
  15. □ひとりになると怖がったり寂しがったりする
  16. □外出時、持ち物を何度も確かめる
  17. □「頭が変になった」と本人が訴える
  18. □下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
  19. □趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
  20. □ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる
公益社団法人認知症の人と家族の会

チェック項目 1~17 物忘れについて
チェック項目18~20 意欲の低下

受診をするときのコツ

どこに受診すればよいか?  

認知症になると日常生活にも様々な困りごとがでてくることがあります。また高齢になると他の病気も併発することがあるので、普段から身体の事について相談できるかかりつけの医療機関があると安心です。    

詳しい検査などで認知症の専門医を受診する際も、かかりつけ医に紹介状を書いてもらうとスムーズに受診できます。また各市町村には認知症に関する無料の相談窓口が設けられています。  

  • 親に認知症のような症状がでている  
  • 介護について相談したい  
  • 認知症だとどのようなサービスがうけられるのか  

など、1人で抱え込まずに気軽に相談してみましょう。  

本人が拒否する場合

「認知症かもしれないから受診しましょう」とストレートに伝えてしまったり、無理やり受診につれていくことは好ましくありません。本人の自尊心が傷つき、家族との信頼関係にも影響を及ぼしてしまいます。  

受診を拒否するという事は、本人自身も不安や恐怖を抱えていることが多くみられます。  

  • かかりつけ医に相談し、本人に話をしてもらう  
  • 健康診断に一緒に行こうと誘ってみる  
  • 心配な症状があって心細いから一緒に病院についてきて欲しいと本人を連れ出す  
  • 地域包括支援センターに相談する  
  • どうしてもダメな時は往診医に依頼する  

などの方法をためしてみましょう。

認知症の方をケアするときの心構え・対応について

認知症の方への対応

認知症と診断されてからは、本人を守れるのはあなたです。身近な存在だからこそできる心構えを持ちましょう。  
対応の仕方や心がけるべき点についてまとめました。 

「個人」として尊重し、尊厳を守る接し方を心がける

できなくなった事ばかり目が行ってしまいがちですが、ご本人の中には本来の姿、失っていないものが必ずあります。  

できないこと、わからないことが増えたからといって子供扱いするのでなく、本人との本来の関係性を大切にしながら、サポートをしていくことが大切です。

できることは自分で行ってもらう

認知症になったからといって、すべてのことができなくなるわけではありません。できることはなるべく手を出さずに自分で行ってもらうことも大切です。 例えば着替えが上手くできない時などは、最初のとっかかり部分だけ少し手伝えば、あとはすんなり着ることができたりします。   

また、若い時から長く続けている仕事や家事、趣味、得意な事などはまさに「体が覚えている」状態であることが多く、本人の役割として取り組んでもらえる作業のヒントになると思います。  

なぜご本人がそのような行動をするのか考えてみる

なぜご本人がそのような行動にでてしまうのかよく観察して原因を探ることが大切です。    

居住環境やご本人のこれまでの生活習慣、声のかけ方、身体への触れ方、痛みや体調不良など原因を考え、対応方法を変えることで症状が出づらくなることもあります。

「見る」「触れる」「話しかける」あたりまえの事を丁寧に

これらはあたりまえのような事のように感じますが、
「見る」、「触れる」、「話かける」という行為を丁寧に行い、接することでご本人に安心感を与えることができます。  

  • 声をかけるときは正面から相手の視線をしっかりとらえて話しかける。  
  • 目線が合わない、「横」や「後ろ」からは急に話しかけないようにする。  
  • 相手が座っている時、ベッドで横になっている場合には自分も座り目線を合わせる。  
  • 叱らない、否定しない。優しく穏やかな声のトーンで話す。  
  • 身体に触れるときは優しく、広く、包み込むように触れる。  
  • いきなり顔にふれたり、強くつかまないようにする。 

まとめ

まとめ

家族にとって本人の元気な時の姿を知っているからこそ、徐々に変わっていく様子を受け止めることはとても苦しいことだと思います。
性格や気質により症状の出方も異なり、第三者に入ってもらうほうが落ち着くケースもあります。  

気になる症状がみられたら決して一人で抱え込まず、早めに相談し適切な治療や支援を受けるようにしましょう。