介護保険外サービスが注目されている理由とは?サービス内容や注意点も合わせて紹介!

介護保険外サービスが注目されている理由とは?サービス内容や注意点も合わせて紹介!

介護保険外サービスとは、介護保険を申請していない人でも利用することができる介護サービスのことです。

そもそも介護保険サービスは、国民が支払っている介護保険料や税金で一部の費用がまかなわれています。

そのおかげで、利用者が負担する金額を安く抑えられているのですが、介護度によっては利用できるサービスに制約があるのです。

そして「介護保険サービスで足りない部分をカバーできるのでは?」と注目されているのが、介護保険外サービスなのです。

そこで今回は、介護保険外サービスについて解説していきます。

国も推進!なぜ保険外サービスが注目されているの?

国も推進!なぜ保険外サービスが注目されているの?

介護が必要な状態になっても、住み慣れた地域で、自分らしく暮していくことは大切な事です。

より多くの高齢者が、住み慣れた地域で快適に暮らし続けることを実現するために、国は「地域包括ケアシステム」の 構築を進めています。

「地域包括ケアシステム」とは、地域で住まい・医療・介護・生活支援・介護予防が一体的に提供される体制のことをいいます。

団塊の世代が後期高齢者になる2025年を目標に、各市町村では、この地域包括ケアシステムの構築を進めているところです。

費用は安いけど…制約と不足感が多い『介護保険サービス』

介護保険サービスは、費用が安く抑えられますが、様々な制約があるためにやや柔軟性に欠けています。

例えば、ヘルパーの家事援助を例に挙げてみましょう。

介護保険サービスでは、ヘルパーに頼めることと頼めないことが決められています。

依頼できるのは、日常的な調理、洗濯、掃除、買い物などです。しかしながら、窓拭きや庭の草むしり、電球の交換、ゴミ出しなどは頼むことができません。

大掃除のような内容や、重労働になりやすい家事は対応してもらえないのです。

そこで注目されているのが『介護保険外サービス』です。

介護保険のサービスが、基本的な生活を支えるサービスだとするならば、介護保険外サービスは「より生活の質を向上するため」のサービスといえます。

介護保険などの公的サービスに加え、利用者本人や家族のニーズを踏まえたきめ細かいサービスが選択できるようになると、より安心して暮らせるようになるでしょう。

介護保険外サービスの種類

では、介護保険外サービスについてご紹介します。介護保険外サービスは大きく分けて2種類に分類されます。

  • 公的保険外サービス(市町村が独自に提供しているサービス)
  • 民間保険外サービス(民間企業が提供しているサービス)

公的保険外サービスは、地域住民のボランティアやシルバー人材センター等の協力で運営されています。まずは地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してみましょう。

その一方で、民間保険外サービスは、民間企業が提供しているサービスです。より個別性を重視したサービスが多いという特徴があります。民間サービスの場合は、事業所のホームページやチラシ、SNSなどからも情報収集した方がよいでしょう。

また、料金設定は各サービスによって設定されているため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

介護保険外サービスにはどんなサービスがあるの?

介護保険外サービスにはどんなサービスがあるの?

先ほど大きく2種類に分類されると述べましたが、その内訳は実際には細かく設定されています。以下に代表的なものを挙げてみます。

家族に代わりに家庭内労働を行うサービス

時代の変化により核家族化が進んでいます。「高齢者夫婦のみ」あるいは「高齢者が一人暮らしをしている」といった世帯が増えているのです。

高齢になると大きな家具の移動や、高い場所の電球交換などが、大変だと感じることも増えてくるでしょう。

このようなニーズを受けて、家族に代わって家庭内の労働を担うサービスが提供されています。

具体的なサービス例では、便利屋としてサービスを提供している会社が、エアコンや換気扇の掃除、買い物の付き添いや話し相手、電球交換など、個人の希望に沿ったオーダーメイドなサービスを提供しています。

コミュニケーションを重視したサービスは介護予防にも効果あり

厚生労働省が実施した介護保険外サービスについての調査によると、「人と話をする」「人と触れ合う」といった『コミュニケーション』に関するニーズが大きいということがわかっています。

具体的なサービス例では

  • 週に何度かオペレーターと電話で会話をし、その様子を家族に伝える
  • 宅配時に会話をしながら見守りを行う
  • 体操教室や認知症予防教室などを通して他者と接する機会を設ける

などがあります。これらのサービスは、他者との接点を増やしたり、引きこもりを予防するという観点から考えると介護予防にも効果があると考えられます。

介護が必要になっても『自分らしく暮らす』

介護が必要になると、これまで当たり前に行っていたことを諦めてしまう方が多くいます。

例えば、趣味や旅行、遠出の外出やオシャレなど。これらは、できなくても生命を脅かすようなものではありませんが、最も「その人らしさ」があらわれるところではないでしょうか。

具体的なサービスとしては、

  • 訪問理美容サービス
  • 施設や自宅に出向いてメイクアップ講座を提供するサービス
  • 高齢者や要介護者に配慮した旅行ツアー
  • トラベルヘルパーの付き添いがある旅行サービス
  • 訓練を受けたタクシードライバーが外出をサポートしてくれるサービス

などがあります。

 仕事と介護の両立を支える家族支援サービス

近年では、介護される側だけでなく、介護する側の支援も重要となっています。

「介護離職」「育児と介護が並行しているダブルケア」子供が介護の担い手になっている「ヤングケアラー」など、介護問題も多岐に渡っています。

介護を支える側は、知らず知らずのうちに孤独になりやすいケースがとても多いのです。

これからは介護を担う家族を支えるサービスの需要も高まります。

実際に行われているサービスとしては、産業医と提携して、会社内で介護に関する相談ができるサービスなど。そのほかにも、地域によって様々なサービスが展開されています。

なお、「介護する側」にフォーカスを当てた記事も投稿しています。不安や悩みを抱えている方はご参照ください。

介護保険外サービスを選ぶときに注意したいポイント

介護保険外サービスを選ぶときに注意したいポイント

介護保険外サービスは、まだまだ発展途上のサービスです。

ケアマネジャーが計画を立ててくれる介護保険サービスとは違って、自分や家族が主となって事業者を探したり、選択したりする必要があるのです。

また、自費サービスであるため、負担額は高くなってしまいます。

地域包括支援センターやケアマネジャー、家族など信頼できる人と相談しながら、情報収集や契約をすすめていきましょう。

介護保険外サービスをうまく活用して「自分らしい生活」を見つけよう!

介護保険外サービスをうまく活用して「自分らしい生活」を見つけよう!

介護保険外サービスは、介護保険申請を受けなくても利用できるサービスです。

介護保険サービス内だと費用は安く抑えられますが、細かい決まりや制約が多く、柔軟性に欠けることがデメリットといえます。

一方で介護保険外サービスであれば、自費サービスで個人のニーズに合わせたオーダーメイドサービスを受けることができます。

両方のサービスをうまく組み合わせることによって、より自分らしい生活ができたり、家族の介護負担や心配事も軽減したりすることができます。

介護保険外サービスは、今後さらに発展する見込みがあります。まだまだ情報が少ない分野ですので、積極的にアンテナを張って情報収集してみてください。